困ったトキだけカミダノミ

波山坊主による寺社仏閣散歩

安彦良和さんの描く古事記

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皆様は古事記日本書紀をじっくり読まれた事が有りますでしょうか?

 

オリジナルはともかく、解釈本など。
作家との相性は非常に重要ですが
神話だけに誰も知り得ない考察や推察の枠からの話なので仕方ない事であるが、、いかんせんスピ考察系YouTuberと同レベルに思えてしまうw


反面、考古学者の研究論文ベース本は知識がハイレベル過ぎてモー理解が難しく(笑)ページが全く進みません(笑)

おおよそ神話であるなら人間味溢れる脚色があるぐらいのほうが記憶に残りやすい訳で、神話と言われれば幾つかの御伽噺の断片を知る程度のレベルです。



Mid 80'sに少年期がヒットする私にとって
作家の安彦良和さんというお方は揺るがなく
機動戦士ガンダムのメカニカルデザイナーで
あります。

先日、浦沢直樹の漫勉neo - NHKにて安彦氏の作画をTVにて拝見出来たのは奇跡だとおもってます。


そんな安彦さんの描く新解釈古事記をの存在を全く知らなかった私はのっけから打ちのめされてました。見た事がないくらい非常に柔軟な人間味溢れる魅力的な描写作品で、今から30数年前の作品だという年数ギャップすら微塵も感じさせてくれないのです。


纏めて以前購入しておいた安彦氏の日本神話
3部作を読み切った。


作品は
第一部 ナムジ(大国主)
第二部 神武編
第三部 ヤマトタケル

と分かれています。


その頃にリアルタイムで知っていたならば
今以上に神仏に親近感を持っていたのかも?
いやいや、今だから現在の拙い知識レベルで理解できつつあるのか。

いや巡り巡って今読むから楽しいのですね

 

"ナムジ"とは出雲の大国主の人生を描いたものです。大国主という謎めいた人物がどの様に出雲で人間を生き抜いたかという物語である。

 

"神武"はナムジの続編となり大国主の子を

賀茂建角身命(カモタケツノミコト)=八咫烏鴨武角身命として創話しカムヤマトイワレヒコによる東征を描きます。

当然そう描く? その事件、その方?
タイムラグ有るけど?ボスキャラ?大丈夫?

とツッコミ所は満載。

でも良いのです。

 

作品毎に読み終えると案外こうでも良いな〜と納得してる自分がいたりします。

神話はそもそもファンタジー要素も有るので倭国動乱、北九州説、出雲、纏向、素戔嗚、卑弥呼そして現代人の我々が神と敬い尊ぶ古代の方々に安彦氏が新たな命を吹き込んでいます。


漫画ならではの利点としては2次元であるので
登場する神々に(通常長い漢字の名前のみ)我々
がイメージを持ちやすいのが特徴。


また同時に注訳に安彦氏の参考文献、選択説
なども詳しく記載されてあるので神話歴史に基づく安彦氏の仮説の解釈を分かりやすく私の様な素人にも伝えて下さる。


ヤマトタケル編の後半は既に廃刊になっている部もある様ですが、古い作品ですので現在はKindleでも購入可。

そんなに高価ではないです。


機会があれぶ是非3部作をご覧になって下さい。謎めいた伝承もあながち理解出来なくはないのです。そんな中

もはや古事記はこれで良しと納得してる自分がいます(笑)